め も 。

推しの思い出

動き出した12月

 

バンドの3回目のライブが行われた。

ここでようやくメンバーが揃う。

そして、本格的に歩き出すことに。

 

ライブが始まる前から密かに感じていた。

きっと今日は彼に釘付けになると。

平等になんて出来ないだろうと。

 

いざ入場してみると最前列で。

割とセンターポジションで見ることが出来た。

今までもこれからもこんなにいい場所で拝見できることは二度とないだろうなと思う。

 

登場から退場するまで、きっとほとんど彼を見ていたと思う。

もちろん目の前に他のメンバーが来たときや、見せ場があるときにはそっちを見ていたけど。

無意識のうちに彼を追っていた。

どんどんハマっていくのが分かった。

 

終演後にはまたお見送りが。

9月同様、優しく温かく対応をしてくれた。

真っ直ぐ向けられる視線に胸と顔が熱くなっていた。

ライブの後だからまだ気分が高まっているんだと、意味もなく気持ちを誤魔化したり。

 

会場を出る時、出入り口を彩っていた祝い花が目に入る。

彼宛の花はなかった。

何故だか申し訳ない気持ちが湧き、それと同時に次のライブはきっと私が用意することになるんだろうなと直感的に感じた。

 

平等に。

一番は作らない。

 

この気持ちは、それでも未だ胸の中に抱いていた。