め も 。

推しの思い出

出会いの9月

2018年9月

たぶんあの日から全てが始まったし、全てが変わっていったんだと思う。

今思えば、だけど。

 

まだ始まったばかりのバンド。

メンバーはまだ全員揃っていなくて。

これからピースがハマっていくんだろうな、という段階での二度目のライブ。

ただ推しを見に行った最初のライブとは違って、バンドそのものが大好きになり、今後の活動にも期待を寄せていた。

もちろん、この日に加入が発表されるであろうメンバーのことも、等しく応援していくつもりで、どんな人がくるのかワクワクしていた。

 

開幕。

まずは3人でのパフォーマンス。

最初のライブよりもさらにレベルが上がっていて、それぞれに楽しむ余裕が出てきたんだなということが分かる。

さらに楽しく、熱くなったライブを堪能。

数曲披露した後、ステージが暗転し、袖から登場する1人の姿。

 

ああ。

それまで名前どころか存在すら知らなかった人にここまで熱くなれるのか。

たしかに大盛況のライブの中、興奮している状態で、あんなにも衝撃的で暴力にも似た歌唱力をぶつけられたら、その場にいた人なら誰もが夢中になっただろう。

でも、私にとっては異例だった。

それだけ、衝撃の出会いだった。

まあ、彼のルックスが整っていたのも要因の一つではある。

 

ライブ中の彼はすごかった。

場内の観客全てと目を合わせるつもりなのではないかと思うほど、ひとりひとりを見て歌っていた。

あまりにも真っ直ぐ見てくるものだから、ステージとの距離も忘れ、すぐそこにいるように感じて、私のために歌っているのかと思い込んでしまいそうになる。

後にリアコ製造機とファンの間で話題になるけれど、それはまた別の話。

 

ルックスもバツグンに良くて、ファンサービスも旺盛で、熱い眼差しを向けてくれる。

そして何より、歌が上手い。

トークはすごく上手!とは言えないけれど、秘めた熱い思いはビンビン伝わってくるし、加入したてでこの場に慣れていないながらも、懸命に話している姿に微笑ましさすら感じた。

この先も応援していきたいなあと、思った。

 

終演後、来場者へのお見送りがあった。

そこでも真っ直ぐに目を見てお礼を言ってくれて、暑さで汗だくになった汚いオタクに嫌な顔一つ見せず(当たり前か)、熱く、でも爽やかに対応してくれた。

他のメンバーも例に漏れず。

感謝しかない。

 

しかし頑固な私。

箱推しを貫くと、最初のライブが終わってすぐに決めていた。

全員を平等に。

だから、誰かを1番に応援するなんて、順列を作るなんて想像もしてなかった。

想像をしたくなかった。